問合せが増えない理由の”8割”は導線設計にある
「デザインを何度直しても問い合わせが増えない」
という悩み、実は多くのサイトが抱えています。その原因の8割は、導線設計の不備にあります。
導線設計とは、訪問者が「情報を知る→理解する→信頼する→行動する」という自然な流れをスムーズに進めるための設計のこと。この流れのどこかでつまずきがあると、どれだけコンテンツが良くても成果につながりません。
導線が悪いと、どれだけ良い文章でも成果につながらない
想像してみてください。素晴らしい商品説明、魅力的な実績、丁寧なサービス紹介があっても、それらが順不同に配置されていたらどうでしょうか。
訪問者は
「で、結局何のサイト?」
「自分に関係ある?」
と迷い、離脱してしまいます。
人は迷った瞬間に行動をやめる生き物です。良いコンテンツを持っていても、導線が整っていなければ宝の持ち腐れになってしまうのです。
実際、私たちが支援した企業の多くは、文章はそのままで導線だけを見直したところ、問い合わせ数が2倍以上になったケースが珍しくありません。
「デザイン改善」よりも「導線改善」の方がCVRは上がる
多くの企業が「デザインをもっとオシャレに」と考えがちですが、CVR(コンバージョン率)を上げるならデザインより導線です。
デザインの役割は「見やすさ」や「信頼感」を作ること。
一方、導線の役割は「行動させること」です。
見た目がどれだけ洗練されていても、訪問者を行動まで導けなければ成果は出ません。
実際のABテストでも、デザインを大きく変えた場合のCVR改善率は平均10〜20%程度ですが、導線を最適化した場合は50〜200%改善するケースが多数報告されています。
つまり、成果を求めるなら「どう見せるか」より「どう動かすか」を先に考えるべきなのです。
導線設計とは?初心者でも分かる”ユーザーの動きの地図づくり”

ここからは、導線設計の基本的な考え方を整理していきます。
導線設計を一言で表すなら「訪問者が目的を達成するまでの道筋を整えること」です。
導線=「ユーザーが目的達成するまでの道筋」
サイトに訪れた人は、何らかの目的を持っています。情報を知りたい、悩みを解決したい、サービスを比較したい。その目的にたどり着くまでの「道」が導線です。
例えば、歯科医院のサイトなら、訪問者は「痛みを治したい」「予約したい」という目的を持っています。その人が「どんな治療があるか知る→実績を確認する→予約方法を理解する→予約ボタンを押す」という流れをスムーズに進められるように設計するのが導線設計です。
道に迷わせず、必要な情報を適切なタイミングで提供し、自然に行動へと誘導する。それが良い導線の条件です。
よくある誤解:導線=ボタン配置だけの話ではない
「導線改善=ボタンを大きくする、目立たせる」と考えている方も多いのですが、それは導線のごく一部に過ぎません。
導線設計で本当に大事なのは以下の3つです。
- 情報を提示する順番(構成)
- 訪問者の心理状態に合わせた内容配置
- 各セクションでの不安解消と次への誘導
ボタンはあくまで最後の「押す」という行動を促す装置。そこに至るまでの道筋が整っていなければ、どれだけボタンを目立たせても効果は限定的です。
導線を整えると、ユーザーは迷わず行動できる
良い導線が整ったサイトでは、訪問者はストレスなく情報を得て、自然に「問い合わせてみよう」と思えます。
まるで親切なガイドが案内してくれているような感覚です。「まずはこちらをご覧ください」「次にこんな実績があります」「ご不安な点はこちらで解消できます」「準備ができたらこちらからどうぞ」という流れがスムーズに続くイメージです。
逆に導線が悪いサイトは、訪問者を迷子にさせます。どこを見ればいいか分からず、疑問が解消されず、結局行動せずに去ってしまうのです。
問い合わせが増える”良い導線”の3要素

では、具体的にどんな導線が「良い導線」なのか。
3つの要素に分けて解説します。
① 必要な情報が、知りたい順に並んでいる
人には「知りたい順番」があります。
最初に知りたいのは「このサイトは自分に関係あるか」、次に「信頼できるか」、そして「どうすればいいか」です。
この順番を無視して、いきなり料金表や会社概要から始めてしまうと、訪問者は「自分ごと」として捉えられず離脱します。
良い導線では、以下のような流れで情報を配置します。
- ファーストビュー:誰向けのサイトか、何を解決できるか
- 第2スクロール:具体的なメリット、選ばれる理由
- 中盤:実績、事例、お客様の声(信頼要素)
- 後半:料金、よくある質問(不安解消)
- 最後:行動を促すCTA
この順番は訪問者の心理の流れと一致しており、自然に読み進めてもらえます。
② “不安”が途中で取り除かれている
人は行動する前に必ず不安を感じます。「本当に大丈夫か」「失敗しないか」「他と比べてどうか」といった疑問です。
良い導線では、この不安が出てくるタイミングで解消する情報を配置します。例えば以下のような工夫です。
- サービス説明の直後に「実績」や「導入事例」を配置
- 料金の前に「よくある質問」で価格への不安を先回りして解消
- CTAの直前に「安心して相談できる理由」を提示
不安を残したまま「お問い合わせはこちら」と言っても、人は動きません。不安を一つずつ解消してあげることで、行動へのハードルが下がります。
③ 最後のCTAまで迷わせずに案内できている
どれだけ良い内容でも、最後の一押しがなければ行動には至りません。良い導線では、読み進めた人が自然に「問い合わせてみよう」と思えるように設計されています。
具体的には以下のような要素が重要です。
- CTAの位置:読み終わった直後、納得したタイミングに配置
- ボタンの文言:「お問い合わせ」ではなく「無料で相談してみる」など具体的に
- 最後の一言:「まずは気軽にご相談ください」など背中を押す言葉
重要なのは、訪問者が「ここで行動すべきだ」と自然に感じるタイミングを作ることです。
この章のポイント:良い導線には「情報の順番」「不安解消」「行動の後押し」の3つが揃っている
問い合わせが増えない原因はどこ?導線のつまずきポイントを特定する方法

改善の第一歩は、現状のどこに問題があるかを知ることです。
「どこで離脱しているか」を知る3つの指標
導線の問題箇所を見つけるには、以下の3つの数値を確認します。
スクロール率
各セクションまで何%の人が到達しているか。
例えば70%の人がファーストビューを通過しても、第3セクションで30%まで減っていたら、その間に問題があります。
離脱ポイント
ページのどこで訪問者が去っているか。
特定の箇所で急激に離脱率が上がっている場合、そこに導線の障害があります。
CTAのクリック率
問い合わせボタンやリンクがどれだけクリックされているか。
ボタンまで到達しているのにクリック率が低い場合、CTAの見せ方や訴求に問題があります。
これらの数値を組み合わせることで、「読まれていないのか」「読まれているが行動されていないのか」を判別できます。
GA4とヒートマップで見るべき場所
具体的なツールとしては、GA4(Google Analytics 4)とヒートマップツールが有効です。
GA4で確認すること
- ページ滞在時間:読まれているかの指標
- 直帰率:第一印象で離脱されていないか
- イベント追跡:特定のボタンやリンクのクリック数
ヒートマップで確認すること
- クリックヒートマップ:どこがクリックされているか
- スクロールヒートマップ:どこまで読まれているか
- アテンションヒートマップ:どこが注目されているか
これらを組み合わせると、数値だけでは見えない「訪問者の行動」が可視化されます。
「読み進めたのに行動しない」問題の見つけ方
ページの最後まで読まれているのに問い合わせが来ない場合、CTAに問題があります。
チェックすべきポイントは以下の通りです。
- CTAボタンは目立っているか(色・サイズ・配置)
- ボタンの文言は具体的で魅力的か
- CTA直前に不安を解消する情報があるか
- スマホで見たときにボタンが押しやすい位置にあるか
多くの場合、「ここまで読んでくれたなら問い合わせてくれるだろう」という思い込みで、最後の一押しが弱くなっています。読んでもらえたからこそ、最後の背中押しが重要なのです。
この章のポイント:データで現状を把握し、つまずきポイントを特定することが改善の第一歩
すぐ直せる導線改善”6つの対策”

ここからは実践編です。今日から取り組める具体的な改善策を6つ紹介します。
① ファーストビューで「誰向け・何のサイトか」を明確にする
サイトを開いて3秒以内に、訪問者は「自分に関係あるか」を判断します。ここで伝わらなければ、その後どれだけ良い内容があっても読まれません。
ファーストビューで伝えるべきことは以下の3つです。
- 誰のためのサイトか(ターゲット)
- 何を解決できるか(ベネフィット)
- なぜ信頼できるか(実績や権威性)
例えば、建設会社なら「浜松市で30年、地元密着のリフォーム専門店」と書くだけで、誰向けで何をしているかが一発で伝わります。
② 読者が知りたい順に並べ替える「ストーリー導線」
情報の順番を変えるだけでCVRは大きく変わります。訪問者の心理に沿った流れを「ストーリー導線」と呼びます。
基本の流れは以下の通りです。
- 共感・課題提起(こんなお悩みありませんか)
- 解決策の提示(こうすれば解決できます)
- 根拠・実績(実際にこんな成果が出ています)
- 選ばれる理由(他との違い、強み)
- 不安解消(よくある質問、保証)
- 行動喚起(まずは無料相談から)
この順番で情報を配置すると、訪問者は自然に「問い合わせてみよう」という気持ちになります。
③ 一番読まれる”第2スクロール目”に信頼要素を入れる
ヒートマップ分析によると、最も注目されるのはファーストビューと第2スクロール(画面1〜2回スクロールした位置)です。
ファーストビューで興味を持った訪問者が次に確認するのが「信頼できるか」という点。そのため、第2スクロール目には以下のような信頼要素を配置すると効果的です。
- 実績数(施工実績○○件、導入企業○○社)
- 受賞歴や認定資格
- メディア掲載実績
- お客様の声の一部
この配置だけで「もっと読んでみよう」という意欲が高まり、その後の離脱率が大きく下がります。
④ CTA(行動ボタン)を置く場所・色・文言の最適化
問い合わせボタンは「どこに」「どんな見た目で」「何と書くか」で効果が大きく変わります。
配置
- 各セクションの区切りごとに配置(複数箇所に)
- ページ下部だけでなく、読み終わった直後にも
色
- 周囲と対比する色(背景が白なら青やオレンジ)
- サイト全体で統一(行動ボタンは常に同じ色に)
文言
- 「お問い合わせ」→「無料で相談してみる」
- 「資料請求」→「成功事例資料を無料でダウンロード」
具体的で、行動のハードルが低い表現にすることで、クリック率は2〜3倍変わります。
⑤ スマホ最適化(ボタン位置・文字サイズ・間隔)
現在、多くのサイトでスマホからのアクセスが7割を超えています。スマホで見たときの導線が悪ければ、成果の大半を逃していることになります。
スマホ導線で特に重要なのは以下の3点です。
- ボタンサイズ:指で押しやすい大きさ(最低44×44ピクセル)
- ボタン位置:画面下部の親指が届く範囲
- 文字サイズ:本文は最低16px、見出しは20px以上
PCでは問題なくても、スマホで見ると「ボタンが小さくて押しにくい」「文字が読みにくい」といった問題が起きていることがよくあります。必ずスマホの実機で確認しましょう。
⑥ 途中の”不安”をQ&A・実績で解消してあげる
行動を妨げる最大の要因は「不安」です。不安を残したまま「お問い合わせください」と言っても、人は動きません。
よくある不安とその解消方法は以下の通りです。
| 不安 | 解消方法 |
| 本当に効果あるの? | 実績数、導入事例、ビフォーアフター |
| 他と比べてどう? | 選ばれる理由、強み、差別化ポイント |
| 費用が心配 | 料金の目安、追加費用の有無 |
| しつこく営業されない? | 「無理な営業は一切しません」と明記 |
これらをCTA直前に配置することで、「とりあえず聞いてみるか」という心理状態を作れます。
この章のポイント:改善の順番は「①ファーストビュー→②情報の順番→③信頼要素配置→④CTA最適化→⑤スマホ対応→⑥不安解消」がおすすめ
導線改善でどれだけ変わる?実際のビフォー/アフター事例

理論だけでなく、実際の数値で効果を見てみましょう。
事例①:CTA位置の変更だけでCVR 1.2% → 3.8%
ある士業事務所のサイトでは、CTAボタンがページ最下部にしかありませんでした。
改善策として、以下の3箇所にもCTAを追加しました。
- サービス説明の直後
- 実績紹介の直後
- よくある質問の直後
結果、CVRが1.2%から3.8%へと約3倍に向上。アクセス数は変わっていないのに、問い合わせ数が月5件から15件に増えました。
「読み終わった直後に行動できる」というタイミングを増やすだけで、これだけの差が出るのです。
この章のポイント:導線改善は、業種を問わず平均50〜200%のCVR改善が期待できる。特にBtoB系サービスサイトで効果が出やすい
導線を改善するなら”構成”から見直した方が早い理由
ボタンの色を変えたり文言を調整したりするのも大切ですが、本質的な改善は「構成」から始まります。
導線は”構造の結果”であって、ボタン配置だけでは改善できない
導線とは、情報の流れそのものです。
その流れを作るのがページの構成(どの情報をどの順番で配置するか)です。
いくらボタンを目立たせても、そこに至るまでの情報の順番が悪ければ、訪問者はボタンまで到達しません。逆に、構成がしっかりしていれば、ボタンが多少地味でも問い合わせは来ます。
つまり、導線改善の本質は「情報設計」であり、ボタンは最後の仕上げに過ぎないのです。
“読む意欲”を作るのは構成、行動させるのは導線
訪問者がページを読み進めるかどうかは、最初の数秒で決まります。
その判断材料となるのが「構成」です。
- 冒頭で「自分に関係ある」と思えるか
- 次に何が書いてあるか予測できるか
- 読み進めたくなる流れになっているか
これらは全て構成が決めています。構成が良ければ読み進めてもらえ、読み進めてもらえれば導線に乗せられます。
逆に構成が悪いと、どれだけ導線を工夫しても「そもそも読まれない」という問題が残ります。
構成と導線を一緒に作るとCVRが2〜3倍になりやすい
私たちの経験上、構成と導線を別々に改善するより、最初から一緒に設計した方がはるかに効果が高くなります。
なぜなら、構成は「何を伝えるか」、導線は「どう伝えるか」を決めるもので、両者は密接に関係しているからです。
例えば「実績を見せる」というセクションを作るとき、構成だけを考えると「実績一覧ページへのリンク」で済ませがちです。しかし導線まで考えると「ここで信頼を得て次に進んでもらう」という目的があるため、「代表的な実績を3つ見せて、詳しくは専用ページへ」という設計になります。
このように構成と導線を同時に考えることで、ページ全体が「行動させる仕組み」として機能するのです。
ただし、構成も導線も整っているのに成果が出ないときは、そもそもオファー(提供する商品・サービス)や市場とのズレがあるかもしれません。その場合は、サイト構造よりも事業戦略の見直しが必要です。
この章のポイント:構成と導線はセットで設計することで、相乗効果が生まれる
ワイヤーフレームを無料プレゼント

ここまで読んで導線改善の重要性は理解できたけれど、「どこから手をつければいいか分からない」という方も多いでしょう。
導線改善に必要なのは「構造の可視化」
導線を改善するには、まず今のページ構造を図で可視化することが重要です。
文章だけで考えていると、全体の流れが見えません。
ワイヤーフレーム(設計図)を作ることで、以下のことが一目で分かります。
- 情報の順番は適切か
- 各セクションの役割は明確か
- CTAのタイミングは適切か
- スマホで見たときに違和感はないか
プロのWebディレクターが必ずワイヤーフレームを作るのは、構造を可視化しないと良い導線は作れないからです。
AIで導線・構成・ワイヤーフレームをまとめて自動生成

さらに効率的に導線設計を進めたい方には、3つの質問に答えるだけで、あなたのサイトに最適なワイヤーフレームが自動生成されるサービスが役立ちます。
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- 業種・サービス内容
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これらを入力するだけで、AIが最適な構成と導線を設計し、ワイヤーフレームとして出力してくれます。生成されたワイヤーフレームはそのまま制作に使えますし、自分でカスタマイズすることも可能です。
迷わず動けた時、人は一歩踏み出せます。
「導線を考える時間がない」
「何から始めればいいか分からない」
という方にとって、大きな時短になるはずです。
よければ一度試してみてください。
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